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勤務時間外の事故でも労災保険給付を受け取ることができるのか

目次

会社の忘年会で事故に遭った場合、この負傷について、労災保険給付を受けられるか

「会社の忘年会で事故に遭ってしまいました。この負傷について、労災保険給付を受けられますか。」

会社主催の忘年会だから当然、労災保険給付は受けられるでしょう!と期待されるかもしれませんが、残念ながら、当然には認められません。

会社主催の忘年会が、「業務上」のものと認定されるか否かが鍵となります。

  1. 忘年会への出席を強制されていたかどうか
  2. 忘年会が事業運営上必要なものかどうか

上記のいずれもYesであれば、労災保険の給付を受けられる可能性は高いです。

他方、上記①、②のような要素がなく、単に慰労目的で費用も会社が負担していないようなフランクな忘年会であれば、「業務上」とはみなされず、労災保険給付が認められない可能性が高いです。

会社主催のゴルフコンペで怪我をした場合、労災保険給付は受けられるか

「会社主催のゴルフコンペで怪我をしてしまいました。労災保険給付は受けられますか?」

ゴルフコンペでの怪我は、いわゆる接待ゴルフだとしても、「業務上」の認定基準が高くなっています。

社員が会社の担当者としてプレーをせずに準備、接待、送迎等に終始している状況での怪我は「業務上」と認定される可能性が高いです。

他方、社員自身もプレーする場合には、「業務上」と認定されるケースが少なく、認定されるには、いかにそこで重要な取引の交渉が具体的に行われるか、事業にとって具体的な議題と必要性があるかを立証する必要があるため、難しいと言われています。

ただ、プレーしていたか否かだけで結論が出るわけではありません。業務上の活動であったことを立証できるような場合には、争うべきでしょう。

職場で社員同士の喧嘩が起きて、当事者が負傷した場合、労災保険給付は受けられるか

「社員同士で喧嘩が勃発し、当事者が負傷してしまいました。労災保険給付は受けられますか?」

労災保険が給付されるには、①「業務遂行性」と②「業務起因性」の二つの要素が必要でした。

社員の職場での喧嘩について、①「業務遂行性」は、社員が事業主の支配ないし管理下にある(いわゆる業務中)場合は該当しますので、おおよそ要件を満たすケースがほとんどかと思われます。

では、②「業務起因性」についてはいかがでしょうか?

加害者の暴行が、被害者たる社員との私的怨恨や被害者たる社員からの職務上の限度を超えた挑発行為や侮辱的行為によって生じたものであるなど、被害者の業務とは無関係である場合は、業務起因性は認められません。

このように、職場での喧嘩での負傷については、喧嘩の原因や一連の流れで判断されるため、職場内だからといって、容易に労災保険給付が一律認められるとは限らないのです。

休憩時間中に怪我をした場合、労災保険給付は受けられるか

「休憩時間中に怪我をしてしまいました。労災保険給付は受けられますか?」

休憩時間中の事故についても、職場での喧嘩と同様、①「業務遂行性」と②「業務起因性」の二つの要素に該当するかが重要です。

①「業務遂行性」については、休憩時間のため、事業主の支配ないし管理下にあるといえるため、認定されやすくなっています。

しかし、②「業務起因性」については、休憩中であるため業務は行っていないことが大半であるため、この点をクリアすることが難しいケースが多くみられます。

一方、休憩時間中に社員同士で行うことが恒例となっているスポーツイベントでの負傷といった場合には、この恒例のスポーツイベントが小集団活動としての性格を有し、社員個人の自主性を否定して会社の業務と密接な関連性を有する行為として、業務起因性が認められ労災保険給付を受けられたという事案もあります。

勤務時間外の社内サークル活動中に事故が起きた場合、労災保険給を受けられるか

「勤務時間外の社内サークル活動中に負傷してしまいました。労災保険給付は受けられますか?」

社内サークルの活動は様々ありますが、社内サークル活動における負傷での労災保険給付を受けるためには、そのサークルが、事業活動に直接役立つ性質のもので、いずれも事業主が、育成・支援するものと考えられる小集団であることが前提として必要であると言われています。

その上で、勤務時間外の社内サークル活動への参加を強制されたか否かで業務起因性の認定判断が分かれます。

勤務時間外の事故による怪我について労災保険給を受給できるかは、具体的な事案において業務遂行性と業務起因性が認められるかによります。具体的な事案で悩む場合には、是非弁護士に相談してください。

松坂典洋
弁護士・社会保険労務士
労災問題に特化する弁護士・社会保険労務士です。労災案件を会社側・労働者側双方から依頼を受けることが多く、労災事故後の対応を誤ることにより、深刻な運送となる案件を目の当たりにしてきました。労使双方にとって不幸な状況を回避するために、労災事故の紛争解決と発生防止に取り組んでいます。
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